油断禁物!! 小切手の色々

前回予告した

自己振出小切手」と「他人振出小切手

についてです。

 

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この仕訳については、

試験を克服する上では勿論ですが、

実務上も重要な事ですので、

しっかり理解して下さい。

 

理解が難しい場合はイメージを持って下さい。

絶対に役立ちます

 

試験問題の中で

「A社から売掛金小切手で受け取った」

又は

「A社に買掛金を小切手で支払った」

などの記載があった場合は

要注意です。

 

同じ「小切手」という言葉を

使用しているものの、

取引先が振り出した

小切手(他人振出小切手)

と自分が振り出した

小切手(自己振出小切手)では、

使用する勘定科目に違いがある

という事を覚えて下さい。

 

 取引先から受け取った小切手

他人振出小切手と言い、

現金」という勘定科目を

使用します。

方や、

自分が振り出した小切手

自己振出小切手と言い、

当座預金」という

勘定科目を使用します。

 

なので、

A社から売掛金100円を小切手で

受け取った時は、

他人振出小切手を売掛金清算

として受領しているので、

売掛金(資産)のマイナスと

現金(資産)のプラスとなります。

現金(左側) 100円 

/ 売掛金(反左側) 100円

また、

A社に買掛金150円を小切手で

支払った時は、

自己振出小切手で買掛金の清算

として振り出しているので、

買掛金(負債)マイナス

当座預金(資産)マイナス

となります。

買掛金(反右側) 150円 

/ 当座預金(反左側) 150円

今一度、資産、負債、純資産の位置

をご確認ください。

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つまり、

誰が振り出したか?

自分なのか、取引先なのか

によって使用する勘定科目が違うので

引っ掛け問題として、頻繁に出題されます

ご注意ください。

 

また、

他人振出小切手と同様に簿記上、

現金として取り扱うものに

送金小切手」や「郵便為替証券」など

があるので、併せてご注意ください。

可能であれば、

念のためどう言うものなのかを

各自でご確認下さい。

試験にはあまり出ませんが、

絶対はありえませんので、

例外もある為です。

 

次回は当座預金勘定を使用する

別のケースについてです。

 

 

 

例外、「お金」取引?!

前回に引き続き「お金」についてです。

今回は、

1問ないし2問 試験で出題される

「お金」の勘定科目についてです。

小口現金」、「当座借越」、

現金過不足」です。

 

小口現金」のイメージは

小銭入れ」です。

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メインとなる財布以外から

コマゴマした物に支払う時、

小銭入れから支払うと思います。

企業や個人事業主も同様で、

ちょったした物の支払用として

現金を別管理する

際に使用する勘定科目です。

 

別のイメージとしては、

パパがママから

1月分の小遣い300円を貰った。

メインの財布はママが、

その一部を

パパが管理している状態でしょうか。

 

例としては、

1月分のコマゴマした物の支払い用に

300円をAさんに預けた場合、

小口現金」と「現金」の定位置は

共に資産(左側)です。

現金マイナス

小口現金プラスになりますので、

 

この時の仕訳は

小口現金(左側) 300円 

/ 現金(反左側) 300円

となります。

 

そして、今月分の

新聞代100円を小口現金から支払った場合、

小口現金」は資産(左側)

新聞図書費」は費用(左側)

が定位置です。

小口現金マイナス新聞図書費プラス

となりますので、

 

この時の仕訳は

新聞図書費(左側) 100円 

/ 小口現金(反左側) 100円

となります。

 

次に「当座借越」のイメージは

キャッシング」です。

 

当座預金の残高が100円なのに、

150円の自動車を購入し、

小切手(自己振出)で支払った場合、

当座預金」と「車両運搬具」の

定位置は共に資産(左側)です。

当座預金マイナス車両運搬具プラス

となりますので、

この時の仕訳は

車両運搬具(左側) 150円 

/ 当座預金(反左側) 150円

となります。

 

この段階で

当座預金の残高はマイナス50円となっています。

決算期までに解消しなかった場合、

当座預金の残高ゼロにする仕訳が必要となります。

 

その時に使用する勘定科目が「当座借越」です。

当座借越の定位置は負債(右側)です。

当座預金プラス当座借越プラス

することになりますので、

 

仕訳としては、

当座預金(左側) 50円 

/ 当座借越(右側) 50円

となります。

 

実務上は借金(キャッシング)ですので、

短期借入金(右側)の勘定科目を使用したりします。

 

試験を合格するためには、

「当座借越」の名前と使い方

を覚えておいてください。

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次に「現金過不足」です。

以前において

実際の現金残高と帳簿残高が

不一致する時がある事に触れました。

その原因がその日のうちに判明するのであれば

良いのですが、解らない事もあります。

 

しかし

日々、

帳簿残高を実際の現金残高に

合わせなければなりせん。

その時に使用する勘定科目が

現金過不足」です。

そのため

「現金過不足」の定位置はありません。

現金の反対側としか言えません。

 

仕訳としては、

実際の現金残高が150円に対し、

帳簿残高が100円の場合。

帳簿残高の現金を50円プラス

しなければなりませんので、

現金(左側) 50円 / 現金過不足 50円

となります。

 

逆に、

実際の現金残高が100円に対し、

帳簿残高が150円の場合。

帳簿残高の現金を50円マイナス

しなければなりませんので、

現金過不足 50円 / 現金(反左側) 50円

となります。

 

そして決算期において

「現金過不足」が残っている場合には、

その原因を解明し訂正します。

どうしても不明の場合には

残高をゼロにしなければなりません。

 

その時の仕訳は、

左側と右側の金額を相殺した後に

現金過不足 / 雑益(右側) 

    若しくは 

雑費(費用) / 現金過不足

とします。 

 

そして

更に問題を難しくする取引として

他人振出小切手」、

自己振出小切手」があります。

これについては、次回にします。

「現金」・「預金」こそ 基本!!

前回からの続きで「お金」についてです。
「お金」とは

「現金」と「預金」の事を言います。

さらに

  「現金」は現金

      と「小口現金」、

  「預金」は「普通預金」、

       「定期預金」、

       「当座預金」、

       「当座借越

に区別します。

これらは、

全て「資産」という

引き出しの中にあるものです。

つまり「左側」が定位置です。

取引により増加する場合は左側に、

減少する場合には右側にきます。

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例えば、

商品を100円で販売しました。

代金を現金で貰いました。

 

この時の仕訳は、

資産(左側)である現金が増え、

収益(右側)である売上が増えるため、

「現金」も「売上」も定位置です。

 

現金(左側) 100円 

/ 売上(右側) 100円

 

代金を普通預金

振込んで貰った場合の仕訳は

普通預金(左側) 100円 

/ 売上(右側) 100円

 

代金を約束手形

貰った場合の仕訳は

当座預金(左側) 100円 

/ 売上(右側) 100円

 

ここまで大丈夫でしょうか。

基本中の基本ですので

迷っているようでは困ります。

実務上、

毎日の取引で発生するものなので

シッカリと覚えて下さい。

 

今度は、

100円の商品を仕入れ、現金で支払ました。

この時の仕訳は

費用(左側)である仕入が増え、

資産(左側)である現金が減るため、

仕入」は定位置ですが、

「現金」は反対側にきます。

仕入(左側) 100円 

/ 現金(反左側) 100円

 

普通預金から支払った場合の仕訳は、

仕入(左側) 100円 

/ 普通預金(反左側) 100円

当座預金から支払った場合の仕訳は、

仕入(左側) 100円 

/ 当座預金(反左側) 100円

 

ここまでは初歩ちゅうの初歩です。

少しでも不安がある場合には

復習をシッカリとして下さい。

 

次回は、

実務上は当たり前のことなのですが、

試験においては例外的な部分

について触れます。

 

 

「お金」は人生だけに大切なものではない?!

仕訳において

勘定科目それぞれは

全て重要な役割をしています。

一つでも欠けると仕訳は成立しません。


特に重要なのは、

お金に関する勘定科目であると

私は考えます。

ここで言う「お金」とは

現金」と「預金」のことです。

 

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例えば、

商品を販売したりサービスを提供した時、

お金を貰う

商品を仕入れたりパソコンを購入した時、

お金を払う

給料や水道代を支払う時など

様々な場面でお金は登場します。


そして経理事務の現場では、

必ずと言っていいほど

実際の現金残高帳簿残高

不一致する時があります

 

自分の財布の中で、1,000円残っているはずが、

950円しかなかった場合、

「どうしてだろう、50円失くしたのだろうか。」

などと軽く考えるでしょう。


しかし会社や個人事業主の現場では

「何で50円足りないんだ、何やっているんだ。

それでも経理担当者か?」などと言われたり、

もしくは「お前が使ったのか?

などと疑われたりします

 

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それだけ

お金は1円まで狂いがあってはならない

重要で大切なものなのです。

単に仕訳だからと言って侮ってはいけません。

 

今、日商簿記3級の合格を目指している人の中には、

経理事務や上級資格の税理士、

公認会計士を目標に頑張っている者もいるでしょう。

資格は資格、仕事は仕事と割り切らず

将来を見据えて取り組みましょう。

 

まずは「現金」と「預金」の内容と

種類について確認(予習)して下さい。


次回、これについて触れます。

5つの要素(引き出し)にご注意!!

簿記と言うものは、

会社や個人事業主が日々、

商品を販売したり、サービスを提供したりした

取引を帳簿録する作業を言います。

 

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その取引を数字と単語(勘定科目)で

記録する手段が「仕訳」です。

簿記を制覇するには、

この仕訳が出来なければなりません

 

理解するのが難しいのですが、

私も始めはそうでした。

 

しかしながら、

勘定科目には定位置があることを知ってからは、

右側左側かの区別が

簡単に付くことが出来る様になりました。

 

勘定科目定位置を理解してしまえば、

本番中に緊張して暗記した仕訳を忘れても

絶対に対応可能です。

 

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勘定科目には5つの要素があります。

いわゆる「引き出し」みたいなものです。

順番に 

資産・負債・純資産・収益・費用 です。

 

勘定科目は、

この要素(引き出し)の中に分類されます。

 

資産・費用左側負債・純資産・収益右側 

が定位置です。

初めにこの場所を理解すると

仕訳がスムーズに出来る様になります。

 

例えば、

1個10円の商品を10個現金で販売した場合の仕訳は、

現金(左側) 100円 / 売上(右側) 100円

となります。

 

現金資産売上収益

要素(引き出し)に属しています。

 

それぞれの要素が

プラスになる場合は、

その定位置の金額が

増加します

 

逆に、

販売した商品のうち5個返品があった場合の仕訳は

売上(反右側) 50円 / 現金(反左側) 50円

となります。

先ほどとは違い現金売上

共にマイナスになるので

定位置の反対側に持ってきます。

定位置が左側の場合は右側へ、

右側の場合は左側へです。

これを反対仕訳と言います。

打消しになります。

 

5つの要素(引き出し)、

資産・負債・純資産・収益・費用 

右側か左側の位置

引き出しの中に所属している

勘定科目も確認して下さい。

 

勘定科目は仕訳を日々繰り返し行う事

で自然に覚えていきます。

まれに解りずらいものがありますが、

そのような勘定科目は

特に注意すれば大丈夫でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

初めての経験 日商簿記3級 受験

 

学んではいるものの、頭に入ってこない。

 何から手を付ければいいのか?

 

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そんな経験を始めたばかりの頃は、

誰もがすると私は確信しています。

 

そう、

私も20年以上も前に勉強した時、

本当に吸収できなくて

悩みました。苦しみました。

一緒に学んでいる友達と文句ばかりを言っていました。

イライラしてストレスで押し潰されそうになりました。

 

何故、頭に入って来ないのだろう

不思議で仕方なかったからです。

ですが、

4月中旬ころから始めた勉強も

最初の6月の試験では、

見事に合格する事が出来ました。

 

あることをキッカケに、

いつの頃からか嘘の様に

頭に入ってくるようになったのです。

 

今では

毎日、月次監査で顧問先の帳簿を検査する

のに非常に役立っています。

私の仕事は税理士です。

税理士業務には簿記の知識は

不可欠ですからね。

 

今後、

会計業務に携わる気持ちのある方には

日商簿記3級 合格」は最低ラインです。

もし、

思う様に勉強が進まず悩んでいるのであれば、

その手助けをしてあげたいと考えています。

 

先ずは

日商簿記3級のテキスト、問題集、

過去問集と電卓(12桁対応)

を準備して下さい。

 

準備が出来たら次回から説明等に進んでいきます。