回収不能、将来的にむり?!
今回は、「貸倒損失」と「貸倒引当金」
についてです。
お得意様との取引において、
が発生します。
もしも、
その債権が回収できなくなった場合、
その時に使用するのが、
「貸倒損失」
です。
得意先Aに対する500円の売掛金が
倒産により回収できなくなった。
売掛金(資産)のマイナス、
貸倒損失(費用)のプラス
です。
売掛金の定位置は左側、
貸倒損失の定位置も左側
です。
貸倒損失(左側) 500円
/ 売掛金(反左側) 500円
明らかに回収できなくなった。
ことが条件です。
今は大丈夫だが、将来において
貸倒になりそう場合を予想して
計上するのが、
「貸倒引当金」です。
相手勘定は必ず
「貸倒引当金繰入」
になります。
そして繰り入れる方法には
「差額補充法」と「洗替法」
があります。
日商簿記3級では
「差額補充法」を使用します。
計算方法は
× 繰入率 = 貸倒引当金
試験では「繰入率」が問題文で
与えられるので大丈夫です。
実務としては、
「過去の実績による繰入率」や
「法定繰入率」を使用します。
得意先Bに対する売掛金300円、
受取手形500円に対し当期末に
10%の貸倒引当金を設定する。
既に30円の貸倒引当金が
設定されている場合
(300+500) × 10% = 80
80 - 30 = 50 (要計上額)
貸倒引当金は負債なので
定位置は右側、
貸倒引当金繰入は費用なので
定位置は左側
貸倒引当金繰入(左側) 50円
/貸倒引当金(右側) 50円
貸借対照表上では、
直下段に
マイナス表示で「貸倒引当金」
が記載されます。
将来の危険回避のため、念のために
計上した「貸倒引当金」でしたが、
実際に倒産等により回収不能になった場合。
得意先Bの倒産により
が回収不能になった。
予め貸倒引当金は80円計上している。
それぞれの定位置は、
貸倒引当金は負債(右側)、
貸倒損失は費用(左側)
です。
資産のマイナス、
負債のマイナス、
費用のプラス
貸倒引当金(反右側) 80円
貸倒損失(左側) 720円
/ 売掛金(反左側) 300円
/ 受取手形(反左側) 500円
次に
既に「貸倒損失」で処理してしまった
売掛金等を回収した場合。
「償却債権取立益」の勘定科目を
使用します。
この科目の定位置は、
収益なので右側です。
貸倒処理した得意先Bの債権800円の
内400円を回収した。
現金(預金)(左側) 400円
/ 償却債権取立益(右側) 400円
ここまで大丈夫でしょうか。
何度も振り返り覚えてください。
「損失」は既に回収不能。
「引当金」は将来に備える。
この違いを頭に入れてくださいね。
試験には必ず出ます。