期末にやるべきこと!! part1

今回は「棚卸」についてです。

 

前回までの記事で

貸倒引当金

減価償却

に触れました。

 

期末(年度末)においてやるべきこと、

貸倒引当金を幾ら計上するか。

とか

減価償却費を幾ら計上するか。

とかです。

 

貸倒引当金

お得意様との取引によって

売掛金受取手形等の残高が

毎期(毎年)変動が生じますので、

適正に差額補充法で計上が必要です。

 

減価償却費は

法人(金業)の場合は

任意ですが、

個人事業主の場合は

強制です。

なので、これも

適正に計上しなければなりません。

 

同様にしなければならないのが、

棚卸」です。

 

「棚卸」には、純粋な「期末棚卸

は勿論ですが、

貯蔵品」、

仕掛品」、

半製品

などがあります。

 

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日商簿記3級では

「仕掛品」、「半製品」は関係ありません。

 

期末棚卸」と「貯蔵品」

絶対に押さえておきましょうね。

 

まずは「貯蔵品」です。

 

貯蔵品と聞いて「非常に価値があるもの」

というイメージがあると思いますが、

簿記上では「切手」や「収入印紙」や

「従業員用の作業着(未使用)」など

あります。

 

要は、通信費や福利厚生費など、

費用(左側)で支出した経費のうちで、

当期中に未使用で

在庫として残っているものを、

費用から資産に振り替える

場合に使用します。

 

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次に「期末棚卸」です。

 

仕入れた商品が期末(年度末)に

おいて在庫として残っている場合

使用します。

 

なぜ「貯蔵品」や「期末棚卸」に

振替えなけらばならないか???

 

それは、費用は収入に直接結びついて

いるものだからです。

 

収入が計上されていない以上、

費用としての計上も出来ない。

からです。

 

例えば、商品を翌月(翌期始め)に販売しました。

この時、売上高は翌期に計上されます。

しかし、仕入は前期に計上されています。

そうすると、時期的なズレが生じます。

これを防ぐには一致させる必要が出てきますよね。

その作業が「期末棚卸」です。

 

棚卸には「原価法」と「低価法

があります。

 

日商簿記3級では「原価法」です。

 

何かというと?

 

取得した価額そのまま

という考え方です。

 

また「貯蔵品」も

売上に影響したいないものが

残っている状態。

 

なので、費用から資産へ振り替える

という作業が必要になります。

 

 

 

実務上は、期末(年末)に特に注意

が必要です。

利益があるからといって、

期末(年末)に大量に

物品や作業服や材料を購入しても

上記の「貯蔵品」や「期末棚卸」

に振り替える事になるからです。

 

 

会計学上、「費用収益対応の原則」

という理論があります。

 

また、税務上も「収入あっての費用」

という考え方があります。

 

時間があれば、確認して下さいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回収不能、将来的にむり?!

今回は、「貸倒損失」と「貸倒引当金

についてです。

 

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お得意様との取引において、

売掛金」や「受取手形

が発生します。

 

もしも、

その債権が回収できなくなった場合、

その時に使用するのが、

貸倒損失

です。

得意先Aに対する500円の売掛金

倒産により回収できなくなった。

売掛金(資産)マイナス

貸倒損失(費用)プラス

です。

売掛金の定位置は左側

貸倒損失の定位置も左側

です。

貸倒損失(左側) 500円

/ 売掛金(反左側) 500円

 

明らかに回収できなくなった。

ことが条件です。

 

今は大丈夫だが、将来において

貸倒になりそう場合を予想して

計上するのが、

貸倒引当金」です。

相手勘定は必ず

貸倒引当金繰入

になります。

そして繰り入れる方法には

「差額補充法」と「洗替法」

があります。

日商簿記3級では

差額補充法」を使用します。

計算方法

売掛金受取手形の期末残高 

× 繰入率 = 貸倒引当金

 

試験では「繰入率」が問題文で

与えられるので大丈夫です。

 

実務としては、

「過去の実績による繰入率」や

法定繰入率」を使用します。

 

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得意先Bに対する売掛金300円、

受取手形500円に対し当期末に

10%の貸倒引当金を設定する。

既に30円の貸倒引当金

設定されている場合

(300+500) × 10% = 80

80 - 30 = 50 (要計上額)

 

貸倒引当金負債なので

定位置は右側

貸倒引当金繰入費用なので

定位置は左側

 

貸倒引当金繰入(左側) 50円

/貸倒引当金(右側) 50円

 

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貸借対照表上では、

売掛金受取手形

直下段

マイナス表示で「貸倒引当金

が記載されます。

 

将来の危険回避のため、念のために

計上した「貸倒引当金」でしたが、

実際に倒産等により回収不能になった場合。

 

得意先Bの倒産により

売掛金300円、受取手形500円

が回収不能になった。

予め貸倒引当金は80円計上している。

 

それぞれの定位置は、

売掛金受取手形は資産(左側)、

貸倒引当金は負債(右側)、

貸倒損失は費用(左側)

です。

 

資産マイナス

負債マイナス

費用プラス

 

貸倒引当金(反右側) 80円

貸倒損失(左側) 720円

/ 売掛金(反左側) 300円

/ 受取手形(反左側) 500円

 

次に

既に「貸倒損失」で処理してしまった

売掛金等を回収した場合。

償却債権取立益」の勘定科目を

使用します。

この科目の定位置は、

収益なので右側です。

 

貸倒処理した得意先Bの債権800円の

内400円を回収した。

 

現金(預金)(左側) 400円

/ 償却債権取立益(右側) 400円

  

 ここまで大丈夫でしょうか。

何度も振り返り覚えてください。

 

損失」は既に回収不能

引当金」は将来に備える

この違いを頭に入れてくださいね。

 

試験には必ず出ます

 

 

 

 

 

 

固定資産の費用化と重要性!!

今回は減価償却資産

減価償却についてです。

 

大別すると

有形固定資産

無形固定資産

繰延資産

減価償却資産であり、

減価償却費の計算対象です。

 

日商簿記3級では

有形固定資産が対象です。

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有形固定資産には

 建物

 機械

 自動車(車両運搬具)

などがあります。

 

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そして、

これらは時の経過と共に

価値が減少していきます。

その減少額を毎期(毎年)

減価償却費として費用化

していく作業が非常に重要です。

 

この作業を怠ると

適正な決算書の作成が

不可能になります。

 

減価償却費の表記方法には

「直接法」と「間接法」があります。

 

日商簿記3級では「間接法」です。

取得価額を変えることなく

費用計上していく方法

です。

 

減価償却費(左側) 100円 

/ ○○減価償却累計額(右側) 100

○○には、

建物、機械、車両運搬具などが入ります。

減価償却費用なので、

定位置は左側です。

○○減価償却累計額負債なので、

定位置は右側ですが、

減価償却資産の下段

マイナス表示されます。

 

例えば、

貸借対照表上の資産の部(左側)において

建物(左側)          300円

建物減価償却累計額(反右側) △100円

この表記により

帳簿上の建物の現在価値を表現します。

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そして、計算方法には

「定額法」と「定率法」があります。

日商簿記3級では「定額法」です。

 

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毎期(毎年)、

同額を費用化していく方法です。

 

1円になるまで償却していきます。

 

 計算式は

取得価額×償却率=減価償却

取得価額に付随費用も含みます。

償却率は耐用年数表から導き出します。

 

もし、

300円で購入した建物を

200円で売却したとして、

その時の

建物減価償却累計額が150円だった場合。

仮に代金は未収入金とするとして、

帳簿価額150円(300-150)の建物を

200円で売却したので、50円の利益

になっています。

 

建物、未収入金は資産なので、

定位置は左側です。

建物減価償却累計額、は負債なので、

定位置は右側です。

固定資産売却益は収益なので、

定位置は右側です。

 

未収入金はプラス

建物、建物減価償却累計額はマイナス

固定資産売却益はプラスです。

 

建物減価償却累計額(反右側) 150円

未収入金(左側) 200円

/ 建物(反左側)      300円

/ 固定資産売却益(右側)  50円

 

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改めて資産、負債、収益、費用の位置をご確認ください。

 

損が出た場合、

固定資産売却損」の勘定科目

を使用します。

また、

期中に売却等した場合には、

その時まで事業用として使用していたので、

その期間の減価償却費の計算

が必要となります。

今回の例では省略しています。

 

その場合の仕訳は、各自で調べて確認して下さいね。

解らない場合には、ご連絡して下さいね。

 

 





 



 

 

 

 

 

 

「預り金」、「立替金」の違い???

 


今回は「預り金」と「立替金」についてです。

 

この勘定科目も頻繁に使用します。

 

預り金」の例としては、

企業や個人事業主

毎月 給与を支給する時

源泉所得税住民税社会保険料

差し引いて支給してるんですね。

月給500円なのに手取額450円を貰います。

差額50円が、この預り金です。

この場合の仕訳は、

給与(左側) 500円 

     / 現金(預金)(反左側) 450円

     / 預り金(右側) 50円

給与費用現金(預金)資産なので、定位置は左側です。

預り金負債なので、定位置は右側です。

給与と預り金のプラス、現金(預金)のマイナスです。

 

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(簿記3級 テキスト 問題 予想模擬 より)

 

実務としてはそれぞれ

源泉所得税預り金

住民税預り金

社会保険料預り金

と別勘定を設けていますね。

あるいは

「預り金」の勘定科目に

補助科目を設定して区別していますね。

その方が幾ら預かっているのか明確に

管理がし易いからですね。

 

 

 

立替金」の例としては、

取引先負担の商品配送費用100円を

代わりに配送業者へ支払った場合ですね。

立替金(左側) 100円 / 現金(反左側) 100円

立替金、現金は共に資産なので、定位置は左側ですね。

立替金のプラス、現金のマイナスですね。

 

商取引のなかで、他人が負担すべき費用等を

代わりに支払い、後で回収する場合に使用するのが

立替金」ですね。

なので、自分のための場合違いますので、

間違いの内容にご注意くださいね。

 

また、従業員が負担すべき金額を会社や個人事業主

で支払った場合、敢えて分かり易くするために

従業員立替金」勘定を別で設定している処も

あります。

この「従業員立替金」の回収は給料日に精算している

のが通常です。

 

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(簿記3級 テキスト 問題 予想模擬 より)

 

今回は以上になりますが、理解を深めてくださいね。

良く使用する勘定科目ですので、復習して下さいね。 

 

 

仮、前、未???

今回は、

仮○○」、「前△△」、「未○○

についてです。

 

既に勉強が進んでいる方には

「あ~~~あれね!」という話なのですが、
そうではない方には

「何のこと?」という話です。

 

「仮○○」は「仮払金」、「仮受金

「前△△」は「前払金」、「前受金

「未○○」は「未払金」、「未収金

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あまり重要な勘定科目ではないと思われがちですが、

実務では結構、重宝しています。

 

仮払金」は、お金を払いました。

目的・内容が不明確ですが

お金支払ったことは事実です

という時に使用する勘定科目です。

なので、

後で具体的に使用した内容が解った場合には、

適宜・適切に勘定科目を設定してあげます。

実務では、

社長が「ちょっと物入りで、お金を出してくれないか?」

と言われて現金を支払う時があります。

 

仮払金(左側) / 現金(反左側)

仮払金と現金定位置資産ですので、左側です。

仮払金のプラスと現金のマイナスです。

後日、それがお得意様との飲食代に使われた事が解った場合、

接待交際費’(左側) / 仮払金(反左側)

接待交際費費用ですので、定位置左側です。

接待交際費のプラス、仮払金のマイナスです。

 

仮受金」は、お金を受け取りました。

目的・内容が不明確ですが、

お金受け取ったことは事実です。

という時に使用する勘定科目です。

なので、

後で具体的に受け取った内容が解った場合には、

適宜・適切に勘定科目を設定してあげます。

何だかは解らないが、現金を受け取った場合

現金(左側) / 仮受金(右側)

現金資産なので左側仮受金負債なので右側定位置です。

現金のプラスと仮受金のプラスです。

後で、売掛金を回収した分だったことが解った場合

仮受金(反右側) / 売掛金(反左側)

売掛金資産なので定位置左側です。

仮払金のマイナス売掛金マイナスです。

前払金」は、

商品の注文をした時やサービスの提供

を受ける時に

あらかじめ(事前に)内金として

取引先にお金を支払った場合

に使用する勘定科目です。

前払金(左側) / 現金(反左側)

ともに資産なので、定位置左側です。

前払金のプラス、現金のマイナスです。

後日、商品が届き残額を掛けとした場合

仕入(左側) / 前払金(反左側)

       / 買掛金(右側)

それぞれの定位置は、仕入費用なので左側

買掛金負債なので右側です。

仕入・買掛金のプラス、前払金のマイナスです。

前受金」は、

その逆で

あらかじめ(事前に)内金として

取引先からお金を受け取った場合

に使用する勘定科目です。

現金(左側) / 前受金(右側)

前受金負債なので、定位置右側です。

現金のプラス、前受金のプラスです。

後日、商品を販売し残額を掛けとした場合

前受金(反右側) / 売上(右側)

売掛金(左側)  /

それぞれの定位置は、売上収益なので右側

売掛金資産なので左側です。

売上のプラス売掛金プラスです。

 

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未払金」は、

商品以外のもの後払い買った場合に

使用する勘定科目です。

車を購入しました。支払は後日としました。

車両運搬具(左側) / 未払金(右側)

それぞれの定位置は、車両運搬具資産なので左側

未払金負債なので右側です。

車両運搬具のプラス、未払金のプラスです。

 

未収入金」は、

商品以外のもの売って後で代金を受け取る場合に

使用する勘定科目です。

使わなくなった車を売却しました。

後日、代金を回収することにしました。

未収入金(左側) / 車両運搬具(反左側)

未収入金資産なので、定位置左側です。

未収入金のプラス、車両運搬具のマイナスです。

 

何となくイメージはつきましたでしょうか。

いずれにしても頻繁に使用される勘定科目であることは

解ってもらえたと思います。

 

何度も読み返して見てください。

定位置の理解も間違いなく覚えてくださいね。

 

次回は、似たような(同様の)勘定科目についてです。

 

 

お金の貸し借りは、縁の切れ目?!

前回、予告したお金の「貸し借り」した場合です。

 

企業が永続して営業をしていく中で、

どうしてもお金が必要になる時があります。

 

例えば、

機械、車両、工具器具の購入がしたい場合、

建物の改修又は増設したい場合、

規模拡大による場合

など様々です。

 

そんな時、

銀行や役員からお金を借りたりします。

 

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その時に使用する勘定科目が「借入金」です。

 

例えば、

機械購入のため銀行から500円を借り入れ、

普通預金とした場合。

それぞれの定位置

普通預金資産なので左側

借入金負債なので右側です。

 

資産がプラス、負債がプラスとなりますので、

普通預金(左側) 500円 

/ 借入金(右側) 500円

となります。

 

借りたお金で機械を購入した場合、

それぞれの定位置は、

 

機械、普通預金ともに資産なので、左側です。

機械のプラス普通預金マイナスです。

 

機械(左側) 500円 

/ 普通預金(反左側) 500円

 

もし、役員から借入した場合は、

「借入金」に代えて「役員借入金」勘定を使用し、

区別する場合があります。

これにより借入金に色を付け、

銀行からなのか、役員からなのかを

明確にする事が出来ます。

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日商簿記3級試験においては、

「借入金」でも大丈夫でしょうが、

実務上は

「役員借入金」を使用しますので、

覚えて下さいね。

 

逆に、

お金を貸し付けた場合に使用する

勘定科目が「貸付金」です。

 

知り合いから

資金援助して欲しいと頼まれ

300円を普通預金から支払った場合。

それぞれの定位置は、

共に資産なので左側です。

貸付金のプラス普通預金マイナスです。

貸付金(左側) 300円 

/ 普通預金(反左側) 300円

 

もし、役員や従業員へ貸し付けた場合には、

「貸付金」に代えて「役員貸付金

や「従業金貸付金」勘定を使用し、

区別する場合があります。

 

これにより、

貸付が役員に対するものなのか

従業員に対するものなのかを明確にする事が出来ます。

これもまた、日商簿記3級試験においては、

「貸付金」でも大丈夫でしょうが、

実務上は

「役員貸付金」・「従業員貸付金」

を使用しますので、覚えて下さいね。

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今度は、

「貸付」又は「借入」の際に

手形」を使用して取引した場合

です。

 

「貸付」の場合には、「貸付金」の代わりに

手形貸付金」を使用します。

それぞれの定位置は、

手形貸付金、普通預金ともに資産なので左側です。

手形貸付金のプラス、普通預金マイナスなので、

手形貸付金(左側) / 普通預金(反左側)

上記 貸付金を回収した場合は

普通預金(左側) / 手形貸付金(反左側)

 

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「借入」の場合には、「借入金」の代わりに

手形借入金」を使用します。

それぞれの定位置は、

普通預金資産なので左側

手形借入金は負債なので右側です。

普通預金プラス、手形借入金のプラスなので、

普通預金(左側) / 手形借入金(右側)

上記 借入金を返済した場合は、

手形借入金(反右側) / 普通預金(反左側)

 

お金の「貸し借り」に関する

仕訳はこれで大丈夫でしょう。

まだ自信がない、不安な方は復習してね。

必ず出ますよ!!

 

次回は「仮○○」、「前△△」、「未○○」

についてです。

 

バッチリ!! 当座預金

 

前回から引き続き、「当座預金」の

勘定科目を使用する取引についてです。

 

約束手形」や「為替手形」を

振り出した、又は受け取った

電子記録債権(債務)」が発生した

当然の事ですが

お金を受け取ったり、支払ったり」します。

その時に使用する勘定科目が

当座預金」勘定です。

 

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買掛金等の債務の支払に

約束手形為替手形を振り出した時、

支払手形」という

勘定科目を使用します。

 

買掛金支払手形は共に負債なので、

定位置は右側です。

買掛金のマイナス

支払手形のプラスとなりますので、

 

この場合の仕訳は

買掛金(反右側) / 支払手形(右側)

となります。

 

逆に、

売掛金等の債権の回収に

約束手形為替手形を受け取った時、

受取手形」という

勘定科目を使用します。

 

売掛金受取手形は共に資産なので、

定位置は左側です。

売掛金マイナス

受取手形プラスとなりますので、

 

この場合の仕訳は

受取手形(左側) / 売掛金(反左側)

となります。

 

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既にお気づきだと思いますが、

同じ約束手形為替手形でも

振り出した場合

受け取った場合とでは

使用する勘定科目が違う

ということです。

 

注意して下さいね。

 

そして、

意地悪な問題の場合としては、

 

例えば、

以前A社へ買掛金支払のために

振り出した約束手形

B社の売掛金の回収として

受け取った場合の仕訳は、

 

① 支払手形(反右側) / 売掛金(反左側)

 

この場合の前提として、

A社へ振り出した時の

仕訳が既にあるという事です。

 

買掛金(反右側) / 支払手形(右側)

 

今回、この支払手形を回収したので、

上記①の仕訳になります。

 

また、

B社払い出しの約束手形

A社への買掛金の支払をする場合の仕訳は、

 

② 買掛金(反右側) / 受取手形(反左側)

 

この場合の前提として、

B社から受け取った時の

仕訳が既にあるという事です。

 

受取手形(右側) / 売掛金(反左側)

今回、

この受取手形で支払ったので

上記②の仕訳になります。

 

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次に電子記録債権(債務)です。

近年、

約束手形為替手形の代わりになるもの

として普及しています。

 

なので、先ほどの

受取手形」や「支払手形」の勘定科目が

「電子記録債権」や「電子記録債務

の勘定科目に変わるという事です。

 

ここでの注意点は

債権」、「債務」の

違いを理解しておくことです

約束手形為替手形電子記録債権(債務)は、

「権利」や「義務」の象徴でしかないです。

 

なので、

所持しているだけでは直接のお金に影響しません。

 

支払期日」というものがあります。

その時にお金に変わります。

つまり「当座預金」となります。

 

例えば、

買掛金100円支払いのために払い出した

約束手形(電子記録債務)が

支払期日になったので、

代金を支払ったとした場合、

それぞれの定位置は、

支払手形(電子記録債務)は負債(右側

当座預金資産(左側)です。

支払手形(電子記録債務)のマイナス

当座預金のマイナスです。

 

この時の仕訳は

 支払手形(電子記録債務)(反右側) 100円 

/ 当座預金(反左側) 100円

となります。

 

 お願いとしては、

イメージを膨らませて頂きたいので、

約束手形」や「為替手形」や

電子記録債権(債務)」

についてSNSなどで調べて

認識を深めていただきたいです。

 

 次回は、お金を「貸した」とき、

「借りた」ときについてです。